2012年2月8日水曜日

ツヴィーファルテン修道院

写真は暗くてうまく取れなかったので、はがきの写真です (c)Kunstverlag PEDA

ツヴィーファルテン修道院付属教会。南ドイツの、小さな村にあるバロック・ロココ式教会堂建築です。 

  バロック建築は、それ以前のルネサンス建築に比べるとダイナミックで劇的な効果を追求し、見る者に強烈な感覚的刺激を与えます。また、絶対王政下の宮廷に用いられたので、国王の権威を派手に見せつけるためにもたいてい規模が大きく、圧倒的な量感をもっています。フランスのベルサイユ宮殿もその代表作で、ルイ14世の頃建設され、ルイ15世の頃ロココ様式 と呼ばれる、曲線を多用した、優雅で華麗、かつ官能的な内装の様式が生まれました。

フランスの影響で、ドイツにはバロック建築とロココ様式は相まったかたちで移入され、ヨーロッパ全体では新古典主義に区分される18世紀後半になってもバロック建築が建て続けられます。
ドイツのバロック・ロココ建築の代表的なものは、バイエルン地方、ドレスデン、ベルリン・ポツダム、フランケン地方にあります。

 前置きが長い(^_^;)

 今回見に行ったツヴィーファルテン修道院は、シュヴァーベン地方(注1)にあります。行政地区ではバーデン・ヴュルテンベルク州に属します。「黒い森」以東は、道路がシュットットガルトやウルムを中心に放射状に伸びているので、都市間の移動は楽ですが、小さい町から町に移動するのはけっこう不便な感じがしました。

 これまで見てきた教会とはまったく違う。高窓から入る光が白いスタッコ装飾の壁に輝き、明るく、軽快で、豪奢。教会がこんなに贅沢でいいのかなぁと思いましたがそれはそれとして。
 ロマネスクやゴシックにはない豪奢さが新鮮で、見たあと向かいのカフェで休憩しながら、主人と興奮してしゃべってました。

ドイツで楽しいのはこういう観光をしたあと、たとえ日曜でも近くにカフェや休憩できるレストランがあって、大して高くない出費でゆっくりできることです。このときのカフェはパン屋さんのイートインでしたがかなり広く、トイレもきれいで間取りが大きめでした(ドアがびっくりするほど大きい)。奥の方は子どもたちが遊べるようなスペースになっていて、おもちゃが箱に入れてありました。観光と地元の人の暮らしがここで交わっている、というのがいいなと思いながら、味はいまいちのコーヒーを飲んでいました。


 教会で「上シュヴァーベン地方のバロック街道」と題された地図を絵柄にしているはがきを買いました。この付近5、60キロ四方にはこういう教会堂がたくさんあるらしい。きっと家族でお腹いっぱい昼ご飯を食べた日曜の午後、車で行って軽く見て回りながらおしゃべりし、ゆっくりするんだろうな。
 

(注1)現在の行政地区では、アウグスブルクを中心としたバイエルン州南西部にシュヴァーベンの名前があるが、歴史的にはバーデン・ヴュルテンベルク州中東部・南東部(シュトゥットガルトやウルムなどの都市)を中心として、バイエルン州南西部などを含む一帯を指す、やや漠然とした地方名称。ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」にも出てくる。