2012年3月8日木曜日

Buttermilchkuchen mit Walnüssen クルミ入りバターミルクケーキ

ある日、Buttermilchkuchen mit Walnüssen(クルミ入りバターミルクケーキ)を焼いてみましたが、失敗。

砂糖を入れ忘れ、ベーキングパウダーを入れすぎた。後で分かったことだが、ベーキングパウダーは炭酸水素ナトリウムを主成分としているので、熱分解して生じる二酸化炭素の力で生地がふくらむんだけど、炭酸ナトリウムが生じてアルカリ性になり、風味を損なう、そうだ。確かに、すごーーーーく苦かったの。口の中がしびれるくらい。
砂糖を入れ忘れたら甘さがなくなるだけではないんだなぁ。
その後、砂糖も忘れずベーキングパウダーも適正に入れ、確実に素早くできるお菓子として我が家に定着してきました。



このButtermilchkuchen mit Walnüssenのレシピは、約10€で本屋で買ったレシピ本に載っていたものです。Blechkuchenの型とセットになっていました。Blechとはブリキや延べ板、kuchenとはふっくらした焼きケーキのことで、Blechkuchenは「薄切りパン」と辞書にありました。ベーキングパウダーやイースト菌を使ってふくらます、天板で焼くケーキ類のことらしい。パン屋さんの店頭でこういった形のケーキはよく見かけます。でも、イースト菌はまだ使ったことがないので、これからの目標です。

けっこう立派な付録付きの雑誌、というのが日本にいたときにもはやってましたが、お菓子作りの本にケーキの型がついてるセットなどもありました。型だけ買うのと値段はそんなに変わらなくて(と、思ったけど)、ついマフィン型とセットになってるマフィン作りの本を買ったな…。それはドイツでも売ってた。マフィン型もセットで。もともとアメリカで出版された本だと思うけど、レシピもアイディアもインターナショナルになりました。

2012年3月2日金曜日

Basler Totentanz(バーゼルの「死の舞踏」)

スイスの北西角にある都市バーゼルは、人口約16万5千人、バーゼル=シュタット準州の州都にして、チューリヒ・ジュネーヴに次ぐ第三の都市です。バーゼルはスイス・フランス・ドイツの3国が接する地点にあって、ライン川をまたいで市域が広がっています。また、ライン川を航行する大型船舶の最上流の港があります。

フライブルクと比べると、土地の起伏があり、その中をいくつもの市電が縦横無尽に走っているので、手狭な感じ。

街の中心部の一つ、BarfüsserplatzにあるHistorisches Museum Basel Barfüsserkirche(バーゼル歴史博物館)。Barfüsserkircheとはバルフュッサー教会ということで、かつて教会だった建物が歴史博物館になっています。外観はどことなく冴えないのですが、中に入るとさすがに大きな建物です。1階の吹き抜け(教会の外陣)にカフェやチケットカウンター、ミュージアムショップがあり、面白い空間になってました。

さて、この元教会の内陣(半円形に出っ張ってるところ)奥に、小さな出入口があります。そこをくぐり、人がすれ違うのも苦労するような細長い狭い部屋を横切り、また狭い階段を下ると、そこにはぞっとするような絵が並んでいます。
これは、15世紀前半に、町の教会墓地の外壁に描かれていた壁画です。1805年に破壊されましたが、破片をつなぎ合わせて修復・復元されたものです。
何とも写実的な骸骨が、司祭を、王を、王妃を、若い娘を、商人を、老人を、若者を、死に誘い絡みつきます。絡みつかれた人間は、絶望に顔をゆがめ、もはや拒む力もなくしたような表情です。
これがバーゼルのTotentanzトーテンタンツ、「死の舞踏」(リンクをクリックすると、wikipediaにある画像が見られます)。
中世の度重なる戦乱、疫病、飢饉などのために、死は今よりも身近なものだったに違いありません。貴族、僧侶、庶民、どんな階層の者も、死からは逃れられない。死は、非情に人生に来たり、生を中断させる。

2月下旬、バーゼルにもファスナハトの季節がやってきます。バーゼルのファスナハトは有名ですが、「リオのカーニバル」などと比べるとまったく趣が違うことに驚かされます。底抜けの明るさなどではなく、皮肉っぽく辛辣、グロテスクに強調された、原始的で衝動的な笑いの気配が漂うのです。



スイス人のジョークって、噂に聞くとかなり皮肉っぽくてきついそうですが…。そういうのと関連しているのかな。